カフェのメニュー・価格設定の考え方|原価率・利益率・客単価の基本を徹底解説

カフェ開業を検討する中で「コーヒー1杯いくらにすればいい?」「フードメニューの価格設定はどう決める?」と悩む方は非常に多いです。価格設定はカフェの収益を左右する重要な経営判断で、安すぎても高すぎてもお客様は離れてしまいます。

本記事では、カフェ開業を検討している方に向けて、メニュー構成・価格設定の考え方・原価率・利益率をわかりやすく解説します。


カフェの価格設定で知っておくべき基本指標

①原価率

原価率とは、販売価格に占める材料費の割合です。

原価率 = 原価 ÷ 売価 × 100

例えば、コーヒー1杯の原価が150円で600円で販売している場合、原価率は25%です。

カフェの原価率の目安は25〜30%とされています。ただし2024〜2025年にかけてコーヒー豆・乳製品・小麦粉などの食材価格が大幅に上昇しており、2026年時点では現実的な目標は25〜30%程度に再設定すべきと言われています。

②FLコスト・FLR比率

FLコストとは食材費(Food)と人件費(Labor)の合計です。FLコストが売上の55〜60%以内が健全とされています。さらに家賃(Rent)を加えたFLR比率が70%以内に収まることが経営安定の目安です。

FLR比率 =(食材原価 + 人件費 + 家賃)÷ 売上 × 100

③利益率

飲食店の利益率の目安は10〜15%とされています。月間売上100万円で利益率10%なら、手元に残る利益は10万円程度です。個人経営のカフェでは月100万円の売上が一つの目安とされています。

④客単価

カフェの平均客単価は400〜800円(コーヒー1杯の価格帯)が基本ですが、一人経営の小規模カフェで採算を取るには客単価800〜1,000円以上が必要になります。セット販売やサイドメニューで客単価を上げることが重要です。


ドリンクとフードの原価率の違い

カフェはドリンク中心の業態のため、フードとドリンクで原価率の考え方が異なります。

カテゴリ原価率の目安特徴
コーヒー・エスプレッソ系約15〜25%豆のコストが主。仕込み不要で効率が良い
ミルク系(ラテ・カプチーノ)約20〜30%ミルクコストが加わるが高単価設定が可能
フラッペ・スムージー約25〜35%材料が多いが高単価で提供しやすい
焼き菓子・スコーン約15〜25%原価が低く利益率が高い
サンドイッチ・トースト約25〜35%食材が多く原価率が上がりやすい
フルーツボウル・アボカドトースト約35〜55%原価率が高いため価格設定に注意が必要

ドリンク類は原価を低く抑えやすく仕込みも少ないため、フードで上がった原価率をドリンクでバランスを取る設計が基本です。カフェでは「フード2:ドリンク8」程度の売上比率が目安です。


メニュー構成の基本:3種類のメニューを揃える

①イメージコア商品(売れ筋商品)
「このカフェといえばコレ」というメニューです。品質にこだわり、お店の顔になる商品です。原価率が多少高くても集客に貢献します。スペシャルティコーヒーや看板スイーツがこれにあたります。

②利益率の高い商品
原価率が低く安定した利益をもたらすメニューです。焼き菓子・プリン・ドリンク類がこれにあたります。グランドメニューの多くをここで構成し、全体の収益を安定させます。

③季節限定商品
季節感を演出し、リピーターの来店動機を作るメニューです。原価率が多少高くても、話題性・集客効果を見込んで設定できます。1〜2年かけてお店定番の季節メニューを育てていきましょう。


価格設定の3つのアプローチ

①原価から逆算する(コストアプローチ)

最も基本的な方法です。目標原価率から販売価格を計算します。

販売価格 = 原価 ÷ 目標原価率

例:コーヒーの原価が150円、目標原価率25%の場合 → 150 ÷ 0.25 = 600円

②競合店・地域相場を参考にする

同じエリア・同じ業態・同じターゲット層の競合店を実際に訪れて価格帯を調査します。周辺のカフェがコーヒー1杯500円で提供している中で700円に設定すると、差別化された価値がない限り敬遠される可能性があります。逆に相場より安すぎると「安かろう悪かろう」の印象を与えることも。

③付加価値を乗せる

立地・雰囲気・ブランド・サービスの質など、価格以外の付加価値によって相場より高い価格設定が可能になります。スペシャルティコーヒーや高品質な設備を使っているなら、それを積極的に訴求することで価格の正当性を伝えましょう。


客単価を上げるセット販売の設計

コーヒー単品を10杯売るより、コーヒー+焼き菓子のセットを10組売る方が利益額は大きくなります。セット販売で重要なのは「高原価率のフードを組み合わせない」ことです。

セットに向いているフード(原価率20〜25%以下):焼き菓子・スコーン・プリン・サンドイッチ
セットに向いていないフード(原価率35%以上):アボカドトースト・フルーツボウルなど

焼き菓子・プリンといった原価率の低いフードをセットの相手として選ぶことで、客単価を上げながら全体の原価率を適正に保てます。


価格改定の考え方

食材価格が高騰している現状では、開業時に設定した価格をそのまま維持し続けることが難しくなっています。価格改定は「経営を守る行為」として前向きに捉えることが重要です。

急な大幅値上げはお客様の反発を招きやすいため、10〜30円程度の小さな価格変更を段階的に行いながらお客様の反応を見ていくことをおすすめします。または季節限定の新メニューを通じて自然に価格帯を上げていく方法も効果的です。


カフェの売上目標の立て方

個人経営のカフェでは、月間売上100万円が一つの目安とされています。以下のような逆算で目標を立ててみましょう。

指標目標値の例
月間売上目標100万円
目標客単価800円
必要な月間来客数1,250人
1日の営業日数25日
1日あたりの必要来客数50人

「1日50人に800円使ってもらう」という目標を立てると、メニュー構成・席数・営業時間・集客方法を具体的に考えやすくなります。


まとめ

カフェの価格設定は「原価率→競合調査→付加価値」の3ステップで考えることが基本です。目標とする原価率は25〜30%、FLR比率は70%以内、利益率は10〜15%を目安にしながら、客単価800〜1,000円以上を目指しましょう。

メニュー構成は「売れ筋商品・利益率の高い商品・季節限定商品」の3種類をバランスよく揃え、セット販売で客単価を上げることが収益安定のカギです。

カフェ開業の費用全体についてはカフェ開業の初期費用まとめもあわせてご覧ください。