Fiorenzatoは、1936年にイタリア・メストレで創業した業務用コーヒーグラインダーの専門メーカーです。エスプレッソマシンではなくグラインダー一筋という珍しい成り立ちを持ち、90年近い歴史の中で挽き目の均一性と粒度の再現性を追求してきました。Mahlkönigなどと並び、抽出の安定性を左右する「上流工程」にこだわりたいカフェ開業者に選ばれているブランドです。
本記事では、カフェ開業を検討している方に向けて、Fiorenzatoの特徴・主要モデル・価格帯をわかりやすく解説します。
Fiorenzatoの歴史
Fiorenzatoは、1936年にピエトロ・フィオレンザートが26歳でイタリア・メストレに設立した会社です。創業当初からグラインダー・ドーザー(計量機能付きグラインダー)専業として事業を始めましたが、第二次世界大戦により工場は空爆で破壊され、一時は生産品目の転換を余儀なくされました。
戦後の1948年、工場再建とともに世界初とも言われるカウンタートップ型コーヒーグラインダーを開発し、これがイタリア国内のグラインダー市場における新時代の幕開けとなりました。以来着実に事業を拡大し、1988年には市場リーダーの地位を確立。現在は創業家の第3世代が経営を引き継ぎ、伝統と最新技術を組み合わせた製品開発を続けています。

技術的な強み
Fiorenzatoの強みは、グラインダー専業メーカーとして培ってきた挽き目の均一性と再現性です。刃(バー)の製造を自社の数値制御設備で一貫生産しており、高い再現性と品質の安定を実現しています。
近年は2017年に発表したスマートグラインダーをはじめ、デジタル制御による粒度調整や、エスプレッソ・モカ・フィルターなど複数の抽出方法に対応する「AllGround」シリーズなど、家庭用市場も視野に入れた展開を進めています。
現在の体制
Fiorenzatoは現在、ヴェネツィア県サンタ・マリア・ディ・サーラの最新鋭工場で製造を行っています。2022年には米国のカフェ用品販売大手Espresso Partsと提携し、Fiorenzato-USAとして北米市場への展開も強化しました。日本国内では、正規輸入代理店を通じて取り扱われています。
主要モデル
- F64 Evo:業務用として定評のある定番モデル。安定した挽き目と操作性を両立
- F83:高負荷にも対応するハイエンドモデル。回転数の高いカフェ向け
- AllGround:エスプレッソ・モカ・フィルターなど複数の抽出方法に対応するホーム/スペシャルティ向けモデル
価格帯
業務用グラインダーとしては中価格帯に位置し、モーターの出力やバーサイズによって価格が変わります。抽出杯数の多いカフェではハイエンドモデル、小規模店舗ではF64クラスが選ばれる傾向にあります。導入時は取扱代理店に相談し、想定する1日の抽出杯数を伝えて機種を選定するのが確実です。
カフェ開業者へのアドバイス
Fiorenzatoは、グラインダー専業メーカーならではの挽き目の安定性を重視したいカフェ開業者におすすめです。エスプレッソマシン選びに注目が集まりがちですが、抽出品質の再現性はグラインダーの性能に大きく左右されるため、マシンとあわせて検討する価値があります。
導入前には、取扱代理店でのデモ体験をおすすめします。実際に挽いた粉の均一性や粒度調整のしやすさを確かめることで、開業後の運用イメージがつかみやすくなるはずです。