業務用エスプレッソマシンの世界で、イタリアのブランドとは一線を画す存在として注目を集めているのがSlayer(スレイヤー)です。アメリカ・シアトル生まれのSlayerは、「バリスタがアーティストのように感性を働かせ、味を追求できるマシン」というコンセプトのもと、世界中のスペシャルティコーヒー店で愛用されています。
本記事では、カフェ開業を検討している方に向けて、Slayerの特徴・主要モデル・価格帯をわかりやすく解説します。
Slayerとはどんなメーカー?
Slayerは、2009年にアメリカ・シアトルで誕生した業務用エスプレッソマシンブランドです。創業者のジェイソンはカナダのカルガリーのコーヒー一家に育ち、父のアドバイスでエスプレッソマシンの販売・修理に携わるうちに、「従来のイタリアのエスプレッソマシンはなぜ何十年も進化していないのか」という疑問を持ちます。その疑問が「世界最高のエスプレッソマシンを作りたい」という情熱につながり、シアトルでSlayerの開発をスタートさせました。
2009年のSCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)展示会でデビューを果たしたSlayerは、発売後すぐに世界中のコーヒープロフェッショナルから高い支持を受け、各国の最先端カフェで愛用されるようになりました。
Slayerの最大の特徴は「バリスタがマシンを操るアナログのマシン」という思想です。全ての操作をコンピューターが制御する全自動マシンとは違い、バリスタが感性を働かせてコントロールできる設計になっています。車で言えばオートマではなくマニュアル、カメラで言えば全自動ではなく一眼レフのマニュアルモードとも言えます。
マシンは100%シアトルで組み立てられており、メタルパーツは重厚で、木製パーツはシアトルの職人が一つひとつ手作業で削り出しています。「最高のエスプレッソを抽出するため」に最高の部品を使用しているため、価格は非常に高額ですが、その品質と希少性がコーヒー業界での圧倒的な地位につながっています。
Slayer最大の特徴:ニードルバルブ技術
Slayerの技術的な核心は特許取得済みのニードルバルブ技術です。これにより、バリスタがエスプレッソの抽出圧力・流量を細かくコントロールできます。
従来のエスプレッソマシンはボタンを押すと自動的に9気圧の圧力でエスプレッソを抽出しますが、Slayerではバリスタが抽出の初期段階(プレインフュージョン)の圧力を低くコントロールし、ゆっくりとコーヒー粉を蒸らしてから本抽出に移ることができます。
このスローな蒸らしにより、コーヒー豆のメッシュサイズを従来のマシンより細かくでき、細かく挽かれた豆はお湯との接触面積が増えることでより多くのボディと油分を抽出できます。結果として、コクが深く、甘く、フルボディなエスプレッソが実現します。
主要製品ラインナップ
Slayer Single Group(シングルグループ)
Slayerの1グループモデルです。2グループ・3グループモデルと同じコマーシャルグループ・ブルーアクチュエーター・ニードルバルブアセンブリ・スチームバルブを搭載し、さらにタッチスクリーンインターフェースによるフレーバープロファイルや温度制御機能も備えた1グループモデルです。小規模なスペシャルティコーヒー店やバリスタの夢のマシンとして人気があります。
主なスペック:デュアルボイラー(ブリューボイラー+スチームボイラー)、0.1°単位で調整可能なPID温度コントロール、電子式V3グループヘッド(100万回使用可能)、直接配管のみ対応。
Slayer 2 Group / 3 Group(2〜3グループ)
中〜大規模のスペシャルティコーヒー店向けのモデルです。圧力降下や温度損失なしに、スチームショットとプルショットを同時に連続して行える設計になっています。世界中のトップカフェで導入されているモデルです。
Slayer Steam(スチームモデル)
プレインフュージョン機能を搭載したモデルで、独立したブリューボイラーとスチームボイラーによりプロフェッショナルレベルのパフォーマンスを発揮します。
カスタマイズ性の高さ
Slayerは外観のカスタマイズが非常に豊富なことでも知られています。カフェのコンセプトに合わせて世界に1つしかないカスタムマシンを作ることができ、ウッドパネルの種類・カラーリング・アクセントカラーなどを自由に選べます。これがSlayerをインスタグラムなどSNSで映えるマシンとして人気を集めている理由のひとつでもあります。
価格帯の目安
| モデル | 参考価格 |
|---|---|
| Single Group(1グループ) | 要見積もり(約200〜300万円以上) |
| 2 Group(2グループ) | 要見積もり(約300〜500万円以上) |
| 3 Group(3グループ) | 要見積もり(約400〜600万円以上) |
Slayerは非常に高額なマシンです。「車が新車で買える」とも言われるほどの価格帯ですが、その品質・希少性・カスタマイズ性はコーヒー業界での圧倒的な差別化につながります。価格は変動するため、必ず事前に見積もりを取ることが必要です。
日本での取り扱いはA-DININGなど一部の専門店に限られます。
こんな店舗・オーナーにおすすめ
スペシャルティコーヒーを極めたいカフェ
ニードルバルブ技術による精密な抽出コントロールは、豆の個性を最大限に引き出したいスペシャルティコーヒー専門店に最適です。
マシンでカフェの個性を演出したいオーナー
豊富なカスタマイズオプションにより、世界に1台だけのオリジナルマシンがカフェの顔になります。SNS映えを重視するカフェにも向いています。
上級バリスタがいる店舗
Slayerは「バリスタがマシンを操るアナログのマシン」です。マシンのポテンシャルを最大限に引き出すには、熟練したバリスタの存在が不可欠です。
最高の投資をしたいオーナー
Slayerを導入しているカフェは、コーヒー業界関係者からその店のコーヒーへの本気度が伝わります。最高の豆・最高の焙煎・最高のマシンにこだわりたいオーナーには最上の選択です。
まとめ
Slayerは、2009年にシアトルで誕生した、バリスタの感性を最大限に引き出す究極のエスプレッソマシンです。特許取得済みのニードルバルブ技術による精密な抽出コントロール、100%シアトル製の圧倒的なビルドクオリティ、豊富なカスタマイズオプションが世界中のスペシャルティコーヒー店から支持される理由です。
価格は非常に高額ですが、Slayerを選ぶということはコーヒーへの最高の投資をするということです。導入を検討している方はA-DININGなどの国内取扱店に問い合わせてみてください。
他のエスプレッソマシンブランドとの比較はコーヒーマシン比較ページもあわせてご覧ください。
*参考:A-DINING(Slayer日本取扱店)*