カフェの雰囲気を決める要素の中で、家具・什器は非常に重要な役割を担っています。エスプレッソマシンやグラインダーと同様に、テーブルやチェアの選び方ひとつでお客様の居心地や滞在時間、リピート率まで変わってきます。
本記事では、カフェ開業を検討している方に向けて、家具・什器の選び方の基本をわかりやすく解説します。
カフェの家具選びで重要な4つのポイント
①コンセプトとターゲットに合わせる
カフェの家具選びは、まず店舗のコンセプトとターゲット客層から考えることが基本です。スペシャルティコーヒーにこだわる落ち着いた雰囲気の店なら木製家具やナチュラルテイスト、スタイリッシュなブランカフェならモダンなスチール素材、テイクアウト中心の回転率重視の店ならコンパクトで清掃しやすい家具が向いています。
②耐久性と清掃のしやすさを重視する
家庭用家具と業務用家具の大きな違いは耐久性です。業務用家具は毎日多くのお客様が使用することを想定した設計になっており、強度・耐摩耗性・防汚性能が高くなっています。コーヒーや食べ物がこぼれてもすぐに拭き取れる素材かどうかも重要なポイントです。
③サイズと動線を考慮する
大きすぎる家具は空間を圧迫し、窮屈な印象を与えます。お客様が自由に移動でき、スタッフがスムーズに動けるよう適切な動線を確保することが必要です。テーブルと椅子の間隔、通路幅なども設計段階から考えておきましょう。
④座り心地と滞在時間のバランス
カフェは長時間滞在するお客様が多い業態です。座り心地が悪すぎると満足度が下がり、良すぎると回転率が落ちます。店舗のコンセプトと客単価に合わせて座り心地と回転率のバランスを取ることが大切です。
テーブルの種類と選び方
形状で選ぶ
丸テーブル
カフェで人気の高い定番アイテムです。角がないため柔らかい印象を与え、カジュアルな雰囲気を演出します。空間の中央に配置しやすく動線を妨げにくいのが特徴です。2〜4人の少人数向けスペースに最適です。
長方形テーブル
グループでの来店が多いカフェに適しています。壁際に設置することでスペースを有効活用でき、複数台を並べて席数を調整することも可能です。
カウンターテーブル(ハイテーブル)
バーのような大人の雰囲気を演出できます。一人客が利用しやすく、窓際や壁沿いに設置するとスペースの節約にもなります。
高さで選ぶ
| テーブルの高さ | 用途・特徴 |
|---|---|
| 30〜40cm(ローテーブル) | ソファ席・和室カフェ向け。ゆったりとした滞在時間に向く |
| 70〜75cm(ダイニング高さ) | 標準的な高さ。幅広い用途に対応できる最もオーソドックスな選択 |
| 90〜100cm(カウンター高さ) | スツールやカウンターチェアと合わせる。立ち飲みや一人客向け |
テーブルと椅子の「差尺」(テーブル高さ−椅子の座面高さ)は25〜30cm前後が快適な目安です。テーブルと椅子はセットで高さを確認して選びましょう。
チェア・椅子の種類と選び方
木製チェア
カフェで最も定番の素材です。温かみのある雰囲気を演出でき、オーク材やビーチ材は強度も十分です。板座タイプは汚れに強く水拭きが容易で、業務用途に向いています。
スチールチェア
モダンでスタイリッシュな印象を与えます。軽量で移動しやすく、清掃もしやすいのが特徴です。インダストリアルやカフェバーのようなコンセプトの店舗に向いています。
ソファ・ベンチシート
高い快適性を提供しますが、その分滞在時間が長くなる傾向があります。客単価が高い店舗や、ゆっくりとした時間を提供したいカフェに向いています。壁沿いに設置すると空間効率が良くなります。
スツール(背もたれなし)
省スペース設計で、限られた面積に多くの席を配置できます。カウンター席やテイクアウト中心の回転率重視の店舗に向いています。
業務用家具の主な仕入れ先
| 仕入れ先 | 特徴 | 価格帯目安 |
|---|---|---|
| 業務用家具専門店(キノシタ・ADAL・E家具.jpなど) | 飲食店向けの豊富なラインナップ。耐久性の高い業務用製品 | チェア1脚:5,000〜50,000円 |
| IKEA for Business | デザイン性が高くリーズナブル。法人向けサービスあり | チェア1脚:3,000〜30,000円 |
| 中古家具店・オークション | コストを大幅に抑えられる。居抜き物件活用も検討 | チェア1脚:500〜10,000円 |
| オーダー・造作家具 | オリジナルデザインが実現できる。コストは高め | 要見積もり |
費用目安
カフェ開業時の家具・什器費用の目安です。
| アイテム | 費用目安(10席規模) |
|---|---|
| テーブル(5台) | 約10〜50万円 |
| チェア(10脚) | 約5〜30万円 |
| カウンター・什器 | 約10〜50万円 |
| 照明・装飾 | 約5〜20万円 |
| 合計目安 | 約30〜150万円 |
コストを抑えるには中古家具の活用や居抜き物件の選択が有効です。ただしブランドイメージを大切にしたい場合は、お客様の目に触れるテーブルやチェアは新品にこだわることをおすすめします。
まとめ
カフェの家具・什器選びは、コンセプト・耐久性・動線・座り心地のバランスを考慮することが大切です。家具はお客様が直接触れる設備であり、居心地の良さとリピート率に直結します。
開業前にターゲット客層と店舗コンセプトを明確にしてから家具選びを始め、可能であれば業務用家具の展示会や専門店で実際に座り心地を確認してから発注することをおすすめします。
その他の設備についてはカフェ開業に必要な設備・厨房機器リストもあわせてご覧ください。